実相寺のこと. ABOUT
歴史 HISTORY
実相寺について
みなとの近くに一千一百年
小さなお堂から、みなとのお寺へ
実相寺のはじまりは、平安時代前半の仁和元年(885年)までさかのぼります。
港の漁師が海から引きあげた毘沙門天を、村の人たちが大切に祀るために建てた「みなとの小さなお堂」がはじまりです。
鎌倉時代は延応元年(1239年)に、高僧・良忠上人が名勝三保(現・世界文化遺産)に参詣する途中、毘沙門天の霊験に惹かれて立ち寄りました。そしてその時に教化を受けた村の人たちによって阿弥陀如来が勧請されることになり、「みなとのお寺」として生まれ変わったのです。
江戸時代になるまでは港が一望できる小高い地に建っていましたが、徳川家康公の駿府隠居に伴う浜御殿造営のために現在の場所に移され、「清水湊 実相寺」と呼ばれるようになりました。
その際、毘沙門堂は浜御殿のそばに残される予定でしたが、毘沙門天が毎夜、寺の世話役衆の夢に現れて「阿弥陀如来のそばで祀ってほしい」と告げたため、移築されることになったと伝えられています。
ご縁の不思議もあり、近年の住職は三代続けて徳川将軍家ゆかりの寺院(知恩院・増上寺・大樹寺)の門跡、副門跡や住職、執事長に任命されました。
現本堂は昭和の大戦後に復興されたもので、時の住職・心誉康隆大僧正(後の総本山知恩院門跡)を中心に設計されました。
次の世を見据え、当時としては珍しいステンドグラスと椅子席が設置され、音楽演奏や信徒交流の場となっています。
境内は、「みなとのお寺」らしく開放的でありながらも、自然を感じられる清閑な環境です。
ごあいさつ GREETING
「みなとのお寺」として
この度は、数ある寺院のWebサイトの中から当寺をお訪ねいただきありがとうございます。
実相寺は、これまで二つのことを大切にしながら、現世の大地を踏みしめて歩んできました。
一つは、さみしい時も、迷った時も、悩みや苦しみがある時も、もちろん楽しい時も、「ほとけ」と共に、亡き人と共にあり続けること。
もう一つは、言語や空間の壁を超え、二千五百年の時を経て受け継がれてきた「ほとけ」の教えを守り伝え続けること。
これからもそのことに変わりはありません。
「みなとのお寺」らしく開放的なお寺として、皆さまの寄り処であり続けられるように勤めてまいります。
しかし、この数年、インターネットという大海原から大きな波が打ち寄せており、「対面」という名の船だけでは皆さまのお力になれないこともあると感じております。
そこで、試みとしてこの度当寺の「Webサイト」という小さな舟を作って浮かべてみることにしました。
遠い昔に日本海の荒波を越えて、「ほとけ」の教えを伝えてくださった先人の気持ちをおもんばかり、帆を上げ、進む先々で出会った方を乗せ、「ほとけ」と「ほとけ」の教えのもとへ送り届ける。そんな渡し舟となるように願っています。
そして時には、現世の清水湊実相寺と皆さまをつなぐ架け橋となることを願っています。
『清水湊 実相寺』第34世 玅誉
寺院概要 TEMPLE
- 名称
- 清水湊 実相寺
- 正式名称
- 忠髙山 蓮華院 實相寺
- 草創年
- 仁和元年(885年)
- 開創年
- 延応元年(1239年)
- 本尊
- 阿弥陀如来«伝 平安期開眼»
- 諸尊
- 貝付毘沙門天・観音菩薩・勢至菩薩・江戸隆山寮稲荷天王・五寸不動明王・六観音地蔵菩薩
- 開山上人
- 記主禅師 然阿蓮華良忠上人
- 大中興上人
- 心譽康隆大僧正
- 所在地
- 〒424-0947
静岡県静岡市清水区清水町12-19 - 電話番号
- 054-352-4029
交通のご案内Access
静岡県静岡市清水区清水町12-19
Tel:054-352-4029
JR東海道本線「清水駅」より車で8分
JR東海道本線「清水駅」西口静鉄バス乗り場3番(三保山の手線・三保方面)より乗車(6分)、「港橋(バス停)」にて下車後徒歩6分
※駐車場あり